海の関わり方とSeaSonSの発足

海と人間の関わり方をもう一度考える

人類がこの地に誕生して現代に至るまで、人間は海から多くの恩恵を受けてきました。
しかし今まさに数万年と続く海と人間の良好な関係も期限を迎えようとしています。
残念ながらこれは事実です。

多くの海で以前からその兆候は見えておりました。
地球規模で言うと、温暖化や海洋汚染、磯焼けなどが資源の枯渇の原因として挙げられますが、日本特有の問題である乱獲・乱売・乱消費があります。

現在の日本の沿岸漁業の漁師の平均年収が200万円以下と、言われていることは皆さんご存知でしょうか。船が出る条件が整えば、雨の日や風の日でも危険な海に出て、命を懸けて漁をすることが、漁業従事者の仕事です。しかし先の理由により水産資源は刻一刻と少なくなっています。この場合漁業従事者はどうすればいいのでしょう。

少なくまだ十分に育っていない水産資源を生活のためにできるだけ集め、二束三文の価値で市場に流し、消費者に届ける…漁業従事者もわかってはいるものの、毎日の生活のためにやらなければならないのが今の現状です。

このことが繰り返されることにより、海の環境問題と相まって、水産資源は減っていく一方という負のスパイラルが起きてしまい、改善するには誰かの犠牲の上ではないと成り立たないということがわかります。

私たちは、海と人間の関わり方を改める必要があります。

大きな変革をしなければ、この問題を改善・解決する方向にすら進むことができません。

Sea+SonSの発足

私たちは、漁師として海に関わるものとして最後の悪あがきをします。それがこの団体「Sea+SonS(シーソンズ)」です。

まずは私、権田幸祐のこと紹介させてください。

私は、先祖代々続く漁師の家系に生まれました。幼少の頃からすでに父や祖父は漁師に限界を感じていたのが伺えました。そんな環境で育った私でしたが、漁師という道に進み現在に至ります。

漁師になって20年経ちましたが、父や祖父と同様に、漁師の限界を感じるにはあまり時間はかかりませんでした。漁師としての月日を重ねる度に、どうにかしなければという思いが強くなる一方でしたが、解決策を見出せないまま、ジレンマを抱え現在に至ります。

水産資源を育てるために漁を自粛し、その時間で海洋ゴミの回収を行なったり、乗組員と共に料理教室やイベントを開いたり、啓蒙活動を行なってきました。沢山の活動を自主的にやっていくなかで、なんとか漁師として生き延びてきたわけですが、それでも変えられない現実に心を砕かれ何度も諦めようと思いました。

しかし多くの仲間に励まされ、助けられつつ、刻一刻と悪化の道を辿る海を見て、「このまま何もしなければ未来に海は残せない、私の人生は漁業と共にあるべきだ」と勝手に腹を括ってからは、『やるしかない』という選択肢だけが残りました。

「SDGs」という概念が出来て久しいですが、私がこれを知った時、バッチリハマるじゃないか! と驚きました。国連での満場一致での採択とあり、ただの一つの概念というわけではなく、全人類共通の概念であるということに痺れました。この「SDGs」の広がりは、私たちの目標とする漁業のあり方について、どうするべきかということをより明確にしてくれたと感じております。

長くなりましたが、今まで私たちがやってきたこと、それにより漁業従事者以外の多くの繋がりができたこと、そしてこの「SDGs」のタイミング。

時は満ちたと言っても過言ではありません。個人レベルでの活動でなく、大きな波を起こそう。
こうして

「Sea+SonS(シーソンズ)」

が発足しました。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事